久しぶりの更新です。
9月1日にさくら学院ホームページの連絡板で発表された閉校の知らせには愕然としました。2日前の8月30日には2019年度の卒業式が5ヶ月遅れでようやく、しかもこれまで経験のない無観客配信というカタチでとりおこなわれ、翌日にはレギュラー配信番組「さくら学院の顔笑れ!!FRESH!マンデー」で卒業式の振り返りがおこなわれたその夜、日付が9月1日に変わってすぐの発表でした。
個人的には、2019年度卒業式が8月30日に決定したあたりから、なんとなくもやもやしたものがありました。
卒業式が8月に決まったのはいいけれど、さなっすの二人が中等部3年でいられるのは9月から来年3月までの半年になるのかといったことや、あるいは、9月に転入生は入ってくるのか、そもそもこのコロナ禍の状況で転入生を探すことが可能なのか、そして卒業式が5ヶ月も延びたのに転入式がスムーズにおこなえるのかどうか。
「来年のことを言うと鬼が笑う」ではありませんが、ともかく今は2019年度が無事に終わるよう見守るしかないと、心の中のもやもやを気にしないようにしていました。
そして、一旦は延期した卒業式も8月に決定したのだから、同じように職員室の先生方もなんとか調整してくれるんじゃないかという期待がありました。
その期待が裏切られたとは思っていません。おそらく職員室の先生方も苦しんで考えて、その上で出された結論だったのだろうと思います。
ただ、規模を縮小する、メンバーの人数や転入生の有無にこだわらないといったような、これまでとは違った形でも継続できないのか、という疑問もあります。しかし、そういった疑問もおそらく、すでに職員室の先生方のあいだで検討されたことだろうと思います。
もし職員室の判断に反対の声をあげてくつがえるのであれば反対したい。YUIMETALの脱退もショックでしたが、さくら学院の閉校は父兄が声をあげればなんとかなるかもしれない、そんなことも考えてしまいます。
ともかく、さくら学院の閉校のお知らせに関して、今のさくら学院をとりまく状況も鑑みながら、ここに書いておくことにします。
判断材料は豊富ではないようですし、多分に個人の推測を含みますが、できる限り感情的にならないように書き進めていくつもりですのでご容赦いただければと思います。
新型コロナウイルスの影響
・3月8日(日)公開授業「歌の考古学」 @はまぎんホール ヴィアマーレ→
延期※5月2日(土)同会場にて振替公演予定
→中止
・3月24日(火)スタンディング公演 @TSUTAYA O-EAST
→中止
・3月29日(日)2019年度 卒業公演 @パシフィコ横浜 国立大ホール→延期※5月29日(金)同会場にて振替公演予定
→8月30日(日)無観客配信で公演
「さくら学院の顔笑れ!!FRESH!マンデー」
3月 メンバーは電話で声のみ出演
4月 総集編2019年度の歩みを配信
5月 配信中断
6月以降 メンバーは自宅でリモート配信
さくら学院ももちろん、新型コロナウイルスの影響を受けています。さくら学院はライブが少ないことで有名ですので、数少ないライブ公演が中止になることはさくら学院の存在意義を大きく揺るがすとも言えるでしょう。
また、レギュラー配信番組の「さくら学院の顔笑れ!!FRESH!マンデー」では3月からメンバーのスタジオ出演がなくなり、4月と5月はメンバーの出演そのものがありませんでした。
また、さくら学院や森先生が所属するアミューズも大きく影響を受けています。
アミューズ、2020年4月〜6月期は純利益83%減と大幅減益 – Musicman
ちょっと気になっているのは、さくら学院はアイドルではありますが、同時に「育成グループ」であることを最重要視している点です。
ですから、メディアでの露出や「売れる」ことよりも、まずはレッスンを重ねて、少ないながらもライブでのパフォーマンスを完璧に仕上げることが優先されています。
CDやDVDに関しては、開校から2014年度までは大手レーベルのトイズファクトリーやユニバーサルJからリリースしていましたが、2015年度からは自社であるアミューズからインディーズとしてリリースしています。
この点においてもやはり、「売れる」ことよりもさくら学院らしさの維持を優先していることがわかります。
ただ、育成グループとはいえ、そこはビジネスでもありますから、アミューズとしてもある程度はお金にならないといけないわけです。経営的に余裕があるのなら、採算を度外視しても「育成」に注力できますが、このコロナ禍のもとでも「育成」にこだわれるのかどうか……。
と、ここまで書きましたが、この点については愚かな杞憂であることを願いたいです。もし実際に経営的な要素が閉校の原因になるのであれば、アミューズ内での人員の削減だったり他のアーティストとの契約解消といったようなことがもっと表面化してくることになるのではないでしょうか。
やはりここは、職員室の連絡板にあった「より個々にあった育成を強化し、個人それぞれに特化した活動に注力していくという変化が必要」というフレーズを信じることにしたいと思います。
個人それぞれに特化した活動
もともとアイドルに興味がなかった自分にとっては、さくら学院は特にそのストイックさにおいて不思議な存在ではありました。
レッスンを重ねてあんなに顔笑っていながら世間一般に認知されるわけでもない、さらには卒業した後に同じように歌とダンスで活動している卒業生は限られている(もちろん女優や声優、モデルとして活動している卒業生にとってもさくら学院の生徒としての活動は有意義なものだったことはいうまでもなく)、であるならなぜアイドルをやっているのか、そしてなぜ卒業後もアイドルを目指さないのか。
いえ、逆にメンバーの誰かが「卒業後もアイドルを続けたいです」と言ったら自分は支持できないかもしれません。それくらい世間一般のアイドルというものの意義がわからない。なぜなら、たくさん人数がいるのに歌はユニゾンだし、ダンスもオリジナリティーがあるといえるのか疑問だし、現在アイドルであることにどれだけ意味があるのか……。
とか思いつつ、卒業生の誰かがたとえばAKBグループや他のアイドルグループに移籍したらどうなるんだろうなんて考えることもありますが。
あっ、でもこの「なぜ卒業後もアイドルを目指さないのか」というところにヒントがあるような。
先日卒業したばかりの2019年度の仲さんの4名で考えると、インタビューとかまで読んでいないので申し訳ないのですが、@onefiveは別として、それぞれに将来の方向性は
ありそうですよね。
たとえば、
藤平さん……歌とダンス(引き続きBABYMETAL)
吉田さん……モデル
有友さん……モデル
森さん………女優
といった具合でしょうか。
そして2020年度の8名、ちょっと無理矢理振り分けちゃいますが、どうでしょうか。
白鳥さん……モデル?
野中さん……女優(声優?)
八木さん……歌とダンス?(落語?)
田中さん……モデル?
佐藤さん……女優?
戸高さん……歌とダンス?
野崎さん……女優? モデル?
木村さん……女優?
なんとなくですが、こんな感じでしょうか。
これらの方向性でアイドルにもっとも近いのは「歌とダンス」かと思います。
とすると、2019年度の12名のうち、「歌とダンス」という方向性を持ったメンバーは
藤平さん
八木さん
戸高さん
の3名です。
この3名はアイドルに近い方向性を持ってさくら学院で活動し、その他の9名はアイドルとは少し違う方向性を持ってさくら学院の活動をしていた(している)ことになるといえるでしょうか。
もちろん、アイドルの活動は歌とダンスだけで成り立つものではないでしょう。また、方向性が違うからといってアイドルとしての活動が無意味ということもないでしょう。たとえば吉田さんはモデルもこなしつつ、アグレッシブな歌とダンスを見せ、寮母や大阪のおばちゃんといったキャラにあわせて演技することができるように、それぞれの方向性は人それぞれで様々に重なっているでしょう。
さて、ここで思い出されるのが、職員室の連絡板にあった「より個々にあった育成を強化し、個人それぞれに特化した活動に注力していくという変化が必要」というフレーズです。
つまり、歌やダンスに長けている人は歌やダンスを中心に、演技に長けている人は演技を中心に、といった具合に育成の仕方を変えていく、ということでしょう。
あるいは、本人の性格にあわせて、ということも考えられるかもしれません。たとえば、マイペースな人にもそうでない人にも同様にプレッシャーがかかるような状況もあるかと思います。そういう状況を避けてマイペースな人とそうでない人それぞれにあわせて育成していく、ということも考えられるでしょう。
すみません、かなり憶測で書いていますが、憶測ついでに書いてしまうと、たとえばこの1、2年くらいでしょうか、さくら学院への転入が期待された人に「大先生」と称される人がいます。
最近考えていたのですが、大先生自身はどれくらいさくら学院に入りたいと思っているんだろうか、という点が気になっていました。
「ちゃお学」を観ている限りですが、大先生はさくら学院のストイックさや圧縮したような熱さ、あるいは森先生のテンションにフィットするのかな、なんてことを思ってしまいます。
とか考えているところへ本当にさくら学院に転入して、この憶測をくつがえしてほしいところではありますが、そんな機会ももうなさそうです。
ストイックさのデメリット
YouTubeで人気の子供たち!キッズユーチューバー10組と企業タイアップ事例を紹介 – Insta Lab
さらについでに書いてしまいますが、キッズユーチューバーの活動がここ最近顕著になってきました。
ふと思ったのですが、こういった、即制作して即発表できて即リアクションがつかめるという超スピーディーなコンテンツの台頭に対して、ローティーンの子どもやその親御さんにとって、レッスンを重ねてじっくりクオリティーを高めていくさくら学院のスタイルがどれだけ太刀打ちできているのか、という点も気になっているところではあります。
これもまた、杞憂に終わってほしいところですが、本来日本語のコミュニケーションがハイコンテクストなことで知られているなか、わかりやすさや即効性がもてはやされるような現状をみると、つい不安に思わざるをえません。
今後の展開への期待
さくら学院の閉校は本当に惜しいばかりですが、なにも2020年度の8名が全員引退するわけではありませんよね。
先ほど無理矢理に振り分けた8名のメンバーの方向性をもう一度見てみます。
白鳥さん……モデル?
野中さん……女優(声優?)
八木さん……歌とダンス?(落語?)
田中さん……モデル?
佐藤さん……女優?
戸高さん……歌とダンス?
野崎さん……女優? モデル?
木村さん……女優?
こちらを方向性で並べなおしてみます。
白鳥さん……モデル?
田中さん……モデル?
野崎さん……女優? モデル?
野中さん……女優(声優?)
佐藤さん……女優?
木村さん……女優?
八木さん……歌とダンス?(落語?)
戸高さん……歌とダンス?
とりあえず三種類ですが、それぞれのメンバーがそれぞれの方向性を中心に育成されていく、ということになるんでしょうか。
つまり、さくら学院の育成方法がそのまま継承はされないのかもしれませんし、さくら学院の名前が継承されることはないでしょうけれど、こういう展開は期待できるかもしれません。
さくら学院 モデルコース
さくら学院 女優コース
さくら学院 アイドルコース
というように考えれば、遠くない将来、たとえば八木さんと戸高さんを含めたアイドルユニットが生まれたりする可能性もあるでしょうし、今の卒業生がそうであるように、モデルコースの白鳥さんと田中さん、女優コースの野中さんと佐藤さんが演技のレッスンで一緒になり、空き時間を九州弁で過ごすなんてこともあるのかもしれません。
そして忘れてはいけないのが森先生ですね。
もし森先生がたとえば脚本や裏方に専念したいとかいうのでなければ、なにかしらのカタチで画面を通して見られたらいいですね。
さくら学院が閉校した後、育成中のアーティストをさくら学院と同じように露出させるのかどうかはわからないけれど、露出させるのであれば、それこそ「彼女たちだけではトークが……」となる可能性はありますから、そこは経験豊富な森先生に登場してほしいところです。
さて、長くなってしまいました。
YUIMETALの脱退の件さえここに書けずにいるのに、まさかBABYMETALの母体であるさくら学院からこのような発表がなされるとは思いませんでした。
由結ちゃんのさくら学院に対する愛の深さはここで触れるまでもないでしょう。由結ちゃんがこの発表をどう受け止めているのかは知る由もありませんが、まずは、仲さんの4名の卒業を祝福しつつ、2020年度のスタートと残り一年間の活動を見守りたいと思います。