キッカケはTwitterでした
僕がBABYMETALのことを知ったのは、この記事を書いている日から一年ほど前の2015年1月でした。
2015年1月とか、その前月の2014年12月というのは、BABYMETALがより一般的に知られるようになって、ファン(いわゆる「メイト」)が急増した時期だと思います。
というのは、2014年12月22日にNHKで「BABYMETAL現象 〜世界が熱狂する理由〜」という特集番組が放送されたからなんですよね。
僕はこの放送のことを知りませんでした。それから約ひと月たった頃、僕のツイッターのタイムラインにその名前が流れてきたんです。
たしかにメタルはネタでベビメタはロリコンロンダリング(とは書いてない)かもしれない。しかし「すべてをパロディぎりぎりのところでとどめておくと、かならず底知れぬ真剣さがたちあらわれる(ナボコフ)」この言葉はbabymetalにこそふさわしい。
— 斎藤環 (@pentaxxx) 2015年1月15日
邦楽が世界進出できない最大の壁はヴォーカル。日本語じゃなく声質の問題。史上最強のヴォーカリスト人見元基ですら超えられなかった高い壁を、なぜSU-METALの声が乗り越えられたのかはいまだに謎。もちろん上手いんだけどロックヴォーカルとしては異質すぎる。まさにキツネにつままれた感。
— 斎藤環 (@pentaxxx) 2015年1月15日
逆に考えてみよう。自由なようで見えない「お約束」に縛られた「ロック」に対して、一定の様式美さえクリアすればロリコンも日本語もアイドルもなんでも放り込める「メタル」のほうが、はるかに自由なジャンルだったのかも知れない、と。
— 斎藤環 (@pentaxxx) 2015年1月15日
メタルはネタ?
パロディ?
BABYMETAL?
アイドル?
へぇー、そんなアイドルユニットがあるのか。
アイドルはそんなに興味はないけれど、その頃は、BiSなら知っていました。アイドルなのに非常階段とライブをやっていたり、無茶なパフォーマンスをしていておもしろいと思っていたんです。
ただ、BiSとはちょっと違うんだろうなと思ったのは、このツイートのなかで人見元基さん(VOW WOW)と同列で語られていることでした。
VOW WOW、好きだったんですけど、アイドルとVOW WOWが同列で語られているとは、どういうことなのか。
次の日だったでしょうか、ふと思い出してBABYMETALの動画を観てみることにしました。
メタルへのリスペクトがある
BABYMETALをはじめて聴いた人が「ギミチョコ!!」を観てそっ閉じした、という話はよくネットでも見かけますが、僕の場合はいろんな動画を次から次へ観ていって止まらなくなっていた、といったところでしょうか。おかげで、いちばん最初に観た動画をはっきりとおぼえていません。
全然知らないアーティストのMVを探すときって、たいてい名刺代わりになっているような曲(タイトル)を最初に選ぶんです。もちろん勘で、ですけど。
そういう意味では、たぶん「BABYMETAL DEATH」のライブ動画を最初に観たんじゃないかと。自己紹介的なタイトルですし。
その「BABYMETAL DEATH」が、どこのライブだったのかもおぼえていないのですが、冒頭のリフがメタリカの「One」みたいで印象的でした。あっ、ガチなんだ、と思いました。
三人が自己紹介をしていく様子には、なぜかPerfumeっぽさを感じました。どうしてかはよくわかりません。
たぶんファンカム動画だったからだと思いますが、顔もよく見えないまま、本当に自己紹介だけして、しかも最後は両手をクロスして顔を隠したまま曲が終わってしまう。
BABYMETALの三人は完全にアイドルチックな衣装ですが、それなのにアイドルらしくない、というか、アイドルの位置に立つというよりは、メタル側に立とうとしているような、そんな印象でした。
「企画もの」といった考え方があるように、アイドル側からメタルをとりこむのであれば、メタルをどうにでも扱える、場合によっては汚すことにもなってしまうということもあるかと思うのですが、「BABYMETAL DEATH」に関してはまったくそういう印象を持ちませんでした。
ガチで取り組んでいるということは、その裏側にちゃんとメタルへのリスペクトがあるわけですよね。
まあ、その後、「ガチで取り組んでいる」という僕の印象は他の曲を聴いていく度にガンガン揺さぶられるわけですが。
冒頭、フードタオルが髪にからまったYUIMETALと、イヤモニの故障に見舞われて振りが出遅れたMOAMETAL。冷静な対応が素晴らしすぎます。